アルミ溶接

2025.09.18

アルミ溶接の基本技術と初心者が犯しやすいミス

アルミ溶接って聞くと、なんだか難しそうに感じるかもしれませんが、基本をしっかり押さえれば、初心者でも十分に取り組める作業なんです。ただし、スチールやステンレスの溶接とは勝手が違うので、いくつかのポイントを意識する必要があります。まず、アルミは熱伝導率が非常に高いため、溶接中に熱がすぐに広がってしまいます。これにより、溶けすぎたり、逆に溶けにくかったりと、温度管理がとても重要になってくるんですね。

また、アルミは酸化しやすい金属でもあります。表面に酸化皮膜ができると、溶接の妨げになるので、溶接前のクリーニングが欠かせません。ワイヤーブラシや専用の溶剤を使って、しっかりと酸化皮膜を取り除いておくことが大切です。ここをサボると、せっかくの溶接がうまくいかず、強度不足や見た目の悪さにつながってしまいます。

さらに、アルミ溶接ではTIG溶接がよく使われます。TIGはトーチとフィラー材を別々に操作するため、最初は少し難しく感じるかもしれませんが、慣れてくると非常にきれいなビードが出せるようになります。ここで注意したいのが、アークの安定性とトーチの角度です。アークが不安定だと、溶け込みが浅くなったり、ビードがガタガタになったりします。また、トーチの角度が急すぎると、ガスのシールドがうまく効かず、酸化や気泡の原因になります。

初心者がよくやってしまうミスの一つに、電流の設定ミスがあります。アルミは熱を奪いやすいので、スチールよりも高めの電流が必要です。しかし、最初は怖くて電流を低めに設定してしまいがち。これだと十分に溶け込まず、弱い溶接になってしまいます。逆に高すぎると、母材が溶けすぎて穴が開いてしまうこともあるので、適切な電流設定を見つけるには、何度か練習して感覚をつかむのが一番です。

また、フィラー材の選び方も重要です。アルミにはいろいろな合金があるので、母材に合ったフィラー材を使わないと、溶接後に割れたり、腐食しやすくなったりします。最初は6061や5052といった代表的なアルミ合金を使って練習するといいでしょう。

最後に、焦らず丁寧に作業することが何より大切です。アルミ溶接は繊細な作業なので、慌ててやると失敗しやすいですし、何より楽しくなくなってしまいます。少しずつコツをつかんでいけば、きっと自分でも驚くほどきれいな溶接ができるようになりますよ。

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